中学校に勤務していたときに、夏休み明けに痩せて学校に来た生徒がいた。
びっくりしたけど、わたしは何もしなかった。
声もかけなかったし、何も聞かなかった。
他の先生達にもその子のことは聞かなかった。
無関心だったのだ。
目の前で痩せたその子を見たはずなのに何をしようとも思えなかった。
理由は仕事に追われ、人間関係に悩み、追い詰められていた、という言い訳。
だけど、本当はわかっていた。
自分の学校にも
長期休みに家でご飯を食べられない生徒がいるということ。
ひとり親で給食費の支払いが滞ったり遅れている家庭があること。
なのに、氣付かないふりをして
「新しい靴がない。足がキツイから上履きの踵を踏んでる」
そんな生徒を怒ったりもした。
”体育の先生”という自分の体裁を守るために。
わたしは社会の問題から目を背けた大人の1人で
とても恥ずかしく格好悪い人間だったと思う。
だけど生徒達は「先生!」と言って駆け寄って来てくれる。
とんだ情けない先生なのにね。
今からでも遅くない
わたしにできることは何なのか?
みんなと一緒にできることはたくさんあるよね。
「子ども達が食べるお米を作ろう」
「自分たちで作ったお米でおむすびを作って子ども達に届けよう。」
そう決めた。
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